クラミジア症状と代表的な疾患

〇 子宮頸管炎
クラミジア・トラコマティスによる子宮頚管炎は感染しても約半数が無症状ですが、その器官組織に常在している細菌ではありません。

クラミジア・トラコマティスは無症状のことが多いために発見が遅れがちであるが、放置すると腹腔内感染へと進展する可能性があります。

性交渉後に子宮頸管炎が発症した場合には、無症状でも腹腔内感染へ進展する前段階として取り扱う必要があります。

〇 子宮付属器炎
子宮付属器炎の診断は感染部位が骨盤内であるため,臨床症状から診断がされるケースがほとんどです。

クラミジア・トラコマティスによる子宮付属器炎は、大腸菌、黄色ブドウ球菌などと比較し激烈な症状を示すことが少なく、感染初期から自覚症状に乏しい傾向にあり、したがって相手も無治療のまま放置されて反復感染を起こすことになります。

クラミジア・トラコマティスによる卵管組織障害は、初感染のみでは可逆的変化にとどまり、それほど重篤ではないとされているが、反復感染による慢性卵管炎の組織障害では卵管粘膜ヒダ構造の欠如や卵管分泌細胞の扇平化などを招き、卵管上皮下まで炎症が波及すると卵管上皮下問質に線維化を形成し、卵管内腔の狭窄、卵管蝶動運動の障害を招くことになります。
これらの変化は不可逆的組織障害であり、卵の輸送能障害につながり,卵管妊娠,卵管性不妊の原因となります。
また感染による直接的な組織障害によって発症するのではなく、免疫学的な炎症が惹起されることも解明されています。

 

〇 尿道症候群
産婦人科・泌尿器科領域では有意の細菌尿を認めないが、膀胱炎症状を有するといった尿道症候群と診断される症例が増加しています。

尿道症候群の原因としてクラミジア・トラコマティスや性器ヘルペスウイルス、マイコプラズマ、などの一般の検査では証明しにくい微生物による原因が考えられます。

〇 咽頭感染
近年の風俗産業の多様化や様式の変遷に伴い咽頭にクラミジアが感染する機会が増加しています。
咽頭にクラミジアが感染では、多くの場合は咽頭に感染しても無症状です。

女性性器にクラミジアが検出される場合は,無症状であっても10~20%は咽頭からもクラミジアが検出される調査結果が報告されています。

慢性の扁桃炎や咽頭炎のうちセフェム系抗菌薬に反応しないものにクラミジア感染
が存在するので、クラミジア感受性の抗生物質による薬による治療をしなければなりません。

また咽頭に感染したものは、性器に感染したものに比較して治療に時間がかかることが報告されています。

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