クラミジア症状の重篤な疾患 

〇 骨盤腹膜炎
クラミジア・トラコマティスよる初感染時の菌量が多い場合、反復感染により骨盤腹膜炎を起こし、卵管采周囲癒着、骨盤内癒着を併発して卵のピックアップ機能の障害が起こります。
卵管采が完全に閉塞すると卵管留膿腫、卵管留水腫などをきたして急性腹症がみられます。

〇 肝周囲炎
一般的には子宮頚管炎からの上行性感染により骨盤腹膜炎をきたし、上腹部
に及んで肝周囲炎にいたったものと考えられています。

子宮頸管炎をきたした症例の約3~4%が骨盤腹膜炎に、約1%が肝周囲炎に
至ることが報告されています。
妊娠適齢期の女性で過去に性体験を有する条件では、数週間以内の骨盤腹膜炎症状の病歴,骨盤腹膜炎特有の内診所見,クラミジアや淋菌の検出,発熱,CRP上昇など、肝周囲炎を示唆する多数の臨床的所見が存在することなどがあげられます。

肝周囲炎の最大の特徴は下腹部痛とそれに伴う右季肋部痛ですが、激しい上腹部痛を初発症状とすることも多いために内科や外科など他科を初診とすることが多くみられます。
そのために適切な診断・治療が遅れて結果的に患者に不要な苦痛を与えることに
なりかねない疾患ですから、婦人科や専門医での正確な診断と検査が必須条件になります。

〇 咽頭感染
近年の風俗産業の多様化や様式の変遷に伴い咽頭にクラミジアが感染する機会が
増加しています。
咽頭にクラミジアが感染では、多くの場合は咽頭に感染しても無症状です。

女性性器にクラミジアが検出される場合は,無症状であっても10~20%は
咽頭からもクラミジアが検出される調査結果が報告されています。

慢性の扁桃炎や咽頭炎のうちセフェム系抗菌薬に反応しないものにクラミジア感染
が存在するので、クラミジア感受性の抗生物質による薬による治療をしなければなりません。

また咽頭に感染したものは、性器に感染したものに比較して治療に時間がかか
ることが報告されています。

〇 尿道症候群
産婦人科・泌尿器科領域では有意の細菌尿を認めないが、膀胱炎症状を有するといった尿道症候群と診断される症例が増加しています。

尿道症候群の原因としてクラミジア・トラコマティスや性器ヘルペスウイルス、マイコプラズマ、などの一般の検査では証明しにくい微生物による原因が考えられます。

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